No.56 ディスクの容量を減らしてください

ischia2006-10-14

8月のある日、日本へ里帰りしました。


何故かといえば容量オーバーのため何をしても動かない
パソコンのようになってしまったから。


7月でジュエリー学校を卒業しホッとしたのもつかの間、
次のステップへ向けてやることは盛りだくさん
職探しに自分の作品づくり、内職もあるしマルコの工房へも
行かねば。


しかし何をしても疲れるばかりで、
考えも堂々巡り頭がまったくまわらず、やる気がでない。


しかも、ただでさえしゃべれないイタリア語が
どもるばかりでさらに出てこない。


この1年7ヶ月、馬人参状態で突き進んできたのに
それが動かない。。。


今までそりゃ嫌な事もたくさんあったけど、
それが帳消しになるくらい良いこともあって
充実した日を過ごしてきたから、
ストレスが溜まったとも思えない。


でも何故か心身共に疲れきっている。
このままではおかしくなる。
どうしたものか…。


友達に相談すると、
「みんなだいたい1年半くらいで疲れがドッと
溜まっちゃうみたいで一時帰国するんだよね。
なんだかんだいってこの国で生活することは
大変なんだよ」


「いくら言葉もわかるようになったっていったて、
やっぱり日々の言葉の緊張感は消えない」


「しかもイタリアって国は一筋縄ではいかない不便な国だし。
一回命の洗濯に帰るのはいいことだと思うよ」


何かをやりかけたまま日本へ帰るというのは
本望ではなかったけど、一晩考え、次の日には
日本行きの航空券を買っていました。


いざ帰るとなったら元気が沸いてきた。
興奮して眠れない。


お土産はどうしよう。
帰る前にやり残したことを片付けよう。


日本へ帰ったときに済ませなければならない
用事をリストアップしよう。
などなど。


出発の日、フィレンツェ空港へ向かうタクシーの中では
たくさんの友達から


「いってらっしゃい!」


「いっぱい寿司を食べてこいよ!!」


などのメッセージが携帯に。


1年7ヶ月前にここに来たときには知る人なんて
誰一人いなかった。
でも今は「いってらっしゃい」
と家族のように送り出してくれる友人たちがいる。


この人達がいたから私は今までやってこれたんだなと
改めて感謝。


空港のカウンターで手続きをすませて搭乗ゲートへ。
「お〜あたしゃホントに日本へ帰るんだねえ…」


ここから長く最悪な日本への旅が始まるとは夢にも思わず
ワクワクしながら飛行機を待っていたのだった…


つづく