No.14 フィレンツェ国立芸術高校 潜入!!

☆ 誕生日


語学の授業がなくなってしまった私は、朝から
暇で暇で、ボーーーーーーーーーーーーーーー。


宿題がないと勉強も張り合いがないし、デブ子が
いないと緊張感もない。こりゃ、いかん。
とにかく外へ出て歩こう!
朝から街を徘徊しました。


ちょっと休憩とインターネットポイントへ入って
座ったところで、留学手続きを代行してくれた
マリさんから電話が。


「今、学校の前にいるんですけど、お話でも…と思って」
「おうっ!すぐ行きます!待っててください」


学校の前にあるサンタ・クローチェ教会の広場で
おしゃべりをした後、お昼を一緒にとることに。
エミコさんの友達、フランチェスコの店へ行きました。


ここはポンテベッキオのすぐ近くにありながら、
ランチセットが6ユーロと安くておいしい!


今日は私の誕生日だということで
マリさんがケーキをご馳走してくれたのですが、
せっかくだからと、フランチェスコに頼んでテーブルに
置いてあったロウソクに火を付けてもらいました。


フランチェスコは私が誕生日だと知ると
「アイは今日、誕生日なんだよ!」と
近くに座っていたイタリア人のおじさんにも声をかけ、


私はマリさんとフランチェスコと見知らぬ
おじさんの3人に誕生日を祝ってもらったのでした。


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☆ フィレンツェ国立芸術高校 潜入!!


この後、マリさんがフィレンツェ国立芸術高校へ行くと
言うので、興味津々!
私も付いて行きました。


フィレンツェ国立芸術高校、ココはメディチ家の宮殿だった
ピッティ宮にあるボーボリ庭園お隣の、高大な敷地内に建ち、
外観はまるで上野、国立博物館のよう。


「デカっ!!とても高校には見えませんね」


でも周りにはその建物に似つかわしくない、いまどきの
若者風の高校生が芝生の上でゴロゴロしている。


中へ入ると、たいして寒くもないのに
暖房がガンガンに効いている。
こんなに暖房が効いているところ、初めて。


中庭にはバレーボールとバスケのコート。
「校庭は日本の学校より狭いねえ」
「でも芸術高校だからいらないのか…」


事務室でめんどくさそうな態度の用務員さんに
入学に関する説明を聞いて、見学はダメだと言われたけど
帰るふりをして、校内を探検して回りました。


ファッション科に建築科。
フィレンツェの建築科はいいらしいよ」とマリさん。


それから彫刻か修復の作業をするどどっぴろいホール。
ココが高校か?
教会や宮殿にあるようなすごい大きなレリーフや彫刻が
ガンガンっと置いてある。


「さすがイタリア…」


そしてやっとお目当てのジュエリー科に辿り着き
教室の中を覗いてみると、新しい彫金用の作業台が
ずらりと並び、めちゃめちゃきれいで明るくて、
設備整っています!


「うわー!凄い!!」


ちょうどやって来た彫金科の先生に少し話を聞くこともできました。


学費は年間120ユーロ。授業はお昼までで、午後は週2回。
フィレンツェの芸術家、ジュエリー職人の人などは
みんなこの高校出身だという。



私の師匠、ビーノ・ビーニ氏もこの学校出身、
ここで教えていたこともある。


そのビーノ・ビーニの学校へ行っているんだと言うと、
「あっ、ビーノ・ビーニさんね。このすぐ近くじゃない!」
と先生さすがに良くご存知。


もしかしてこの先生も、この学校出身でビーノ・ビーニさんに
教えてもらった人だったりして。。。


とにかく「凄い!凄い!」の連続でこの学校を後にしました。



イタリアって税金高いっていうけど、こういう所に
お金たくさんかけてるのね!


だってこんなにすばらしい学校なのに、
学費が年間120ユーロだよ!!
ほとんどタダみたいなもの。


でも、こうしてお遊びでない、完璧な環境を整えて、
伝統の芸術を次世代へ継承しているんだなあ。


日本のように古いものをただただ保存する、
というのでは無くて、その技術から歴史からをきちんと
教育しているというのが素晴らしい。


だからこうして生活の中に芸術が溶け込んでいるような
状態で、この古い古い街は保たれているのではないだろうか。


日本も「伝統芸術の継承者がいなくて…」などと
ただ廃れていくのを見ているのではなく、
その生きた技術を守っていくこと、教育することを
もっと国がお金をかけてやったらいいかもしれない。