No.17 イタリア語講座② 

☆ ドベ・バイ?

「ドベ・バイ?」これは「どこへ行くの?」
という意味。


「ドベ」=どこ
「バイ」=行く


「バイ」は英語のバイバイにちょっと似ていて、
「バイバイ」とイタリア語で言うと
「行って、行って!」
という意味になります。



「ドベ・バイ?」=「どこだべ?バイバイ」で
「どこへ行くの?」こう覚えてはいかがでしょうか?


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この「ドベ・バイ?」にまつわるおもしろい話。


語学学校に、ぜったいに日本人とつるまず、日本人に
声をかけられても、周りに外国人がいると無視する
A子さんという人がいました。


このA子さん、自分よりイタリア語ができないとみた
相手にはイタリア語で話しかけてくるという…。


私の友達のエミコさんは、道でA子さんに出会う度
「ドベ・バイ?」と声をかけられ、ご立腹。


「あの子、いつも学校で私が『チャオ!』言うても
無視するくせに、外で会うと『ドベ・バイ?』や
なんやっちゅうねん!!そんなん、日本語で言うたら
ええやんか!!ホンマ、ムカツクわー!
だから、私もがんばって言ったよ、イタリア語で、
最後まで…」


確かに、気心知れた人から「ドベ・バイ?」
と言われるのはまだわかる。


でも、都合のいい時だけ都合のいい相手に
わざわざイタリア語を使うのはイヤミっぽい。


エミコさんは何故だか、A子さんによく道で
出くわすらしく、
その度に「ドベ・バイ?」


その話を聞くたび私は笑い転げていたのだが、
ついに私にもその時はやってきた…。


ある日、学校の近所でチャリの鍵をはずそうと
モゾモゾしていると、向こうから外人の女の子と
歩いてくるA子さん発見!


「やばい…。A子だ。私も『ドベ・バイ?』って言われる…」


どうしよう、どうしよう。私もがんばってミライさんみたいに
イタリア語で通す?!それともあくまでも日本語でいく!?


A子さんはどんどん近づいてくる。
「どうしよ…」
私は気がつかない振りをして鍵をいじり続けた。


と、私の横で足が止まった。
「来た…」


「こんにちは!」と日本語で、A子さん。


はぁ?なんだか拍子抜け。
「こ、こんにちは。お、お散歩ですか?」
「うん、今自転車の鍵を買おうと思って自転車屋を探しているんだけど…
この辺にあるって聞いたんだけど、無くって。知ってます?」


あーチャリの鍵探してるのね…。だから日本語なのね…。
イタリア語じゃ難しくて言えないもんねー。
言えたとしても私に通じなかったら意味ないしねー。


私は「ドベ・バイ?」と言われなかったことに
ホッとしつつ、ちょっと意地の悪いことを
思っていまいました。。。


次の日、
「昨日、A子に会ったけど私『ドベ・バイ?』って
言われなかったよ!!
『こんにちは!』とか言われてガクッとしちゃった!」
エミコさんに言うと


「何でー!?何で私にはいつも『ドベ・バイ?』なん?
もしかして、私、イタリア人に見えるんやろか?!
どないしよー!!!」


とてもイタリア人には見えません、エミコさん。