No.32  人助け

先週の金曜日、私はトスカーナTVで放送された
プロフェッソーレの展覧会のビデオを見るために、
バスで友達の家へ向かっていました。


フェラガモ本店前でバスが停まり、何人かの人が
降り、最後にたくさん荷物を持ったかなり大柄な
おばちゃんが降りようとした時、おばちゃん、
足をバスの扉の角に引っ掛けて、バターンと
うつ伏せの状態で顔面から道へ倒れてしまいました。


「はあっ〜!!おばちゃん大丈夫?!」
と私が思うより先に、他の乗客の人々が次から次に
バスを降りて
「大丈夫ですか!大丈夫ですか!」
10人くらいの人が駆け寄り、みんな心配そうな
顔で声をかけている。


おばちゃん、額を切ってしまったようで額から血が出ていて、
誰かが「ティッシュティッシュ!」と
言うと、色んなところからティッシュが差し出され
おばちゃんはティッシュで血を押さえながら
「大丈夫よ。大したことないから。ありがとう」


フェラガモ本店の店員の人もお店から出てきて
額を切ってしまったおばちゃんに
「よかったら中で手当てしますから、店に入って下さい」
と声をかけている。


私はこの光景を見て、おばちゃんの心配をするより
このイタリアの人々の優しさに感動してしまいました。


東京だったら、2、3人の人は足を止めて心配してくれる
けど、その他の人は大丈夫かなと思っていても
他に手当てをしてあげる人がいたらサッサと
通り過ぎるでしょう。


よっぽどヒドイ事故でもないかぎり、
イタリアのように人だかりができるほど、みんながみんな
足を止めて、心配して、声をかけたりしない。


おばちゃんが倒れた瞬間、びっくりしてしまい、口を
開けたまま手も足も出なかった自分が恥ずかしくなりました。


そうだ。そうだよね…。こうじゃなくっちゃいけないよね、
人間。


東京では
”自分がやらなくても、誰かがやってくれるだろう”
そう思っている人が多い気がする。


忙しくて人の為に足を止めている暇は
ないのかもしれないけど、自分の時間は自分の為にだけ
あるんじゃない。人のための時間もとっておかなくちゃいけない
んだよな。


「大丈夫かな?」と思ったら、他の人がどうであれ
その自分の気持ちをサッと行動に移すこと。
声に出すこと。
ひとつ、大切なことを学びました。


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さてさて、トスカーナTVで放送された
プロフェッソーレの展覧会のビデオはどうだったのか、
と言うと…


内容は約12分。
私もたくさん映っていました!


まずは、ギャラリーに入って来てプロフェッソーレと
握手をしながら挨拶をしている私が!


そして学校の人達と作品を見ている姿、プロフェッソーレの
説明を聞いている図etc
それからプロフェッソーレとアンナのインタビュー。


「あぁ、元気な時のおじいちゃんだよ…」
日本語の時はプロフェッソーレを”おじいちゃん”と
言う先輩達。
「プロフェッソーレ…あの時は嬉しそうだったよね」


まだプロフェッソーレは入院中。
みんな、ビデオの中のプロフェッソーレを見て
しんみりしてしまいました。


いつもは話が長くて困っちゃうよ…と言ってるけど、
みんなとてもプロフェッソーレを愛しているんだな。
そしてとても尊敬している。


プロフェッソーレ!!早く元気になって下さい!!