No.38  おじいさ〜ん!ペーター! ①

キノコ

8日間、友達を訪ねてオーストリアのチロルへ行ってきました。


友達の家はフィレンツェから電車で約6時間。
車窓の景色はブドウ畑とりんご畑がひたすら続き、周りは
山々山。


イタリア北部のボルツァノ・ボーゼンで下車すると、もうそこは
空気が違う。
目に見えて空気がキレイ!
色がとても鮮やかに見える。

山々は青々とし、家々の白い壁に赤い花がとても映えている。
埃っぽいフィレンツェとは大違い。
スッキリ、くっきり、カラッとしている。


駅まで車で迎えに来てくれた、私の友達はオーストリア人、
ティロレーゼ(チロル人)のマルゲリータ(英語読みだとマーガレット)
というおばちゃん。


駅からさらに車で1時間。山の中をどんどん進み、着いたところは
山々山、山々。


アルプスの少女ハイジの世界。
「おじいさ〜ん!ペーター!!」
思わず叫びたくなりました。


マルゲリータとは一番初めに通った語学学校で一緒でした。


オーストリアってどんな所?
いつも何を食べているの?


という私の質問に、マルゲリータ
「家のまわりはずっと森でね、キノコが沢山採れるのよ。
いつもキノコ狩りに行ったり、野いちごを摘んだり。
キノコ料理が多いわね」


「森に囲まれた家なんて、ステキ!!いい所ですね」


”森”と聞いていたので、私はまさかこんなにも山深い所だとは
夢にも思っておらず、


オーストリアってこんなに山がある所なのね…」


そりゃそうです。アルプスはすぐそこ。アルピニスト達が
集まってくる所なのです。


まあ〜それにしても、本当に美しいところ。
こんなおとぎの国のような世界が実在するなんて…。
うっとりしました。。。


どの家もキレイに花を咲かせ、あちらこちらに小川がチョロチョロと
流れ、山には野花が咲き乱れ、メルヘンの世界そのもの。


でも夏なのにとても寒くて、セーターが必要。
夜には暖炉に火を入れる。
それがまたいい。


マルゲリータはたくさんの野菜やハーブを育てていて家の周りはハーブで
囲まれ、庭の芝生には絵本で見たような真っ赤なキノコが
ちょこっ、ちょこっと頭を出していて本当にかわいらしい。


マルゲリータはご主人と息子のフェルドナンド君の3人暮らし。
近くには長女のアンジェリカと結婚して2人の子供がいる
次女のミカエラが住んでいる。


ご主人は何の仕事をしているの?と聞いたら
「漁師よ」


えっ?漁師?こんな山の中なのに?
と思ったら、山の中だけど近くに湖があってそこで
漁師をしているのだという。
なるほど。なるほど。


息子のフェルドナンド君は看護師。いつも部屋にこもっていた。
最初に「はじめまして」と挨拶をした時に
「CAN YOU SPEAK ENGLISH?」
と話しかけてきたきり、姿を見せない。


学校でやったけど、イタリア語は苦手らしい。


ここの母国語はドイツ語で、イタリアにも近いのでイタリア語も
まあまあ通じるが第二言語は英語。


マルゲリータ以外の家族の方とは英語を使わねばならないのだが、
私は英語をすっかり忘れてしまっていて、簡単な言葉さえ
出てこない。
グラッツェ!じゃなくてグラシアスでもなくて…ゥゥゥ」


「YES」さえも出てこない。
英語で話しかけられているのに
「SI,SI」
と返事をしている。


それでもなんとかコミニュケーションをはかろうと
一生懸命英語をしゃべったら、イタリア語とのチャンプルー語に
なってしまい、笑われてしまいました。


およ〜英語がこんなにも出てこないとは!
オーストリアへ来て、今度は英語に四苦八苦している私でありました。