No,42 地下おじさん

ischia2005-11-22

11月のはじめ頃、スーパーにずらりと
ボジョレヌーボーとエキストラ・バージン・オリーブが
並びました。


日本ではこの季節になると
ボジョレヌーボー解禁!」とかいってそこらじゅうに
出店がでて、騒いだりしますが、こちらでは
「あれっ。ボジョレヌーボー出てたの…」くらいに
ひっそりとしたもので、日本で言えば新米が出た時くらいの感じ。
そんなに騒ぎません。


私はやはり本場で本場のワインを飲んでおかねば…と
2005年もの3.99ユーロを買って飲みました。


う〜ん。やはり美味い!!
水のようにスッスッと飲めてしまって危険。
コクや、まろやかさは無いのだけれど、甘すぎず辛すぎず
ちょうどいい感じ。こんなにおいしいワインは初めて!


そしてエキストラ・バージン・オリーブオイルも買ってみました。


本当に「搾りたてっ!!」というかんじの鮮やかなグリーン。
見ているだけできれいです。
ちょっと高かったけど、一番グリーンのきれいなものを買いました。
もったいなくてまだ開けていません。。。




★ 地下おじさん


いつも通る落書きだらけの地下道には、番人のようなおじさんがいる。


おじさん専用なのか、ロッカーや黄金色に塗られたイスやサイドテーブル
も置いてあり、はじめはここに住んじゃっているルンペンの人なのか
と思っていた。


おじさんはいつもここにいて、通行人の誰かと立ち話をしている。
きっと、いつもいるので近所のいろいろな人と知り合いなのだろう。


たまにせっせと床をはいたりして、掃除をしている。


「あっ、お掃除の人だったのね」
と思ったが、どうも違う。
別のちゃんとした清掃局の人が来て、掃除をしている日もある。


天気のよい日も地下にいる。
少年達が大々的に壁に落書きをしているのを
とがめずに見ている。


この地下道にはよく、チェロ弾きやギター弾きが
演奏しに来ている。


良いメロディーと歌声が聞こえてきて、
「おっ。今日はセッションか」
ギターとアコーディオンとハーモニカ。
なかなか上手いなと思って、よく見てみると
ハーモニカを吹きながら、気持ちよさそうに歌を歌っているのは
あの地下おじさん。


なかなかやるな。地下おじさん。
芸達者なようである。


夜ここを通ったとき、おじさんはいなかった。
「さすがに夜は家に帰るんだ」
と思ったら、地下を出たところにあるBARでお酒を飲みながら
また誰かと立ち話。


おじさん、とても話し好きのようである。


私は一日にここを何度も通るので、最近はおじさんも
私の顔を覚えてくれたようで、軽く会釈してくれるようになった。


よく来るチェロ弾きのお兄さんも同じく覚えてくれたようで、
チェロを弾きながらチャリで通り過ぎる私に笑顔を送ってくれる。


初めは、落書きだらけのこの地下道、物騒で嫌だなと思っていたが
なかなかお楽しみの多い通りである。
いつか私も地下おじさんと話をしてみよう。