No.52 婚約しました

ischia2006-05-13

アメリカ在住10年になる妹がこの度めでたく婚約しました。


お相手はアメリカ人で、ノーマン・ロックウェルの絵に出てくる少年の
ようなかわいらしい顔をした青年、ライアン。


ライアンは律儀にも正式に妹に結婚を申し込む前に、まずはうちの母に
あいさつをしたいと、桜の花が咲きみだれる日本へ妹と共にやってきました。


成田空港からまず向かったのは、母方の祖母の家。


そこでは祖母と強烈母の7人姉妹といとこ達がライアンを大歓迎。


中には自分の息子の卒業式があるというのに、そんなのもそっちのけで
ライアンに会いに来た叔父もいました。


ライアン歓迎会では、7人姉妹による”さくらさくら”の合唱で盛り上がり、


祖母は一生懸命に日本語でライアンに話しかけ、叔父は一生懸命オヤジギャグを
とばして笑いをとり、
ライアンは親戚全員に気に入られ楽しく過ごしたそうです。


この祖母の田舎でライアンは、先祖のお墓参りの帰り道、春の暖かな
日差しの中、正式に妹に結婚の申し込み。


晴れて妹の左手の薬指には大粒のダイヤが輝くこととなりました。



初来日だったライアンは妹と共に、築地や浅草、渋谷、ディズニーランドを
訪問。それから母と3人で京都旅行もしました。


京都のホテルを予約するとき、妹とライアンが同室で母は一人部屋
という部屋割りに、ひさしぶりに帰ってきた娘と同室じゃないなんて
つまらないと、
寂しそうに不満をもらしていたという母ですが、


ライアンをすっかり気に入ってしまった母は、そんなこともどこへやら。
とても楽しい旅ができたようでした。


母に「ライアンはどんな人だった?」と聞いてみたところ


「本当にいい子でね。前から知っていたような感じのする人だった」


祖母にいたっては、ライアンを大好きになってしまい、
毎日のように嘆いていた自分の物忘れのひどさも忘れてしまうくらい、
元気になったとか。


ここ数年親戚の中に亡くなる人が多く、葬式続きで
皆がっくりきていたところがある。
妹の婚約とライアンの来日はそんな中、皆に幸せを運んできてくれました。


妹に先を越されてしまった私ですが、
「自分の幸せが、周りの幸せにつながっていく」ような
この妹の婚約は、私にとってはとてもいいイメージをもたらしてくれたように
思います。


「こんな結婚ができたらきっと幸せだろうな…」と。


皆に祝福されてアメリカへと帰ったと思われる2人ですが、
中にはこんな人もいたらしい。


ある知人はライアンを紹介したとき、チラリと妹の薬指に光るダイヤを
見ながら
「でも、長男じゃなくて残念ね〜」
こう言ったらしい。


う?長男じゃなくて残念?どういう意味だ?


長男じゃないと何が残念なんだ?!
今時長男もクソもあるか?!


しかも相手はアメリカ人。
何故素直に「よかったね。おめでとう」と言えん!?