No.53  新大陸の出現

ischia2006-06-18

先月、わが師匠マルコが日本橋高島屋にて実演販売を行った際には
たくさんの方においで頂き、本当にありがとうございました。


お陰様で他の職人さんのコーナーが閑散としている時も
マルコの所には人が絶えず、にぎわっていたそうです。


フィレンツェが宝飾品で有名だということは一般によく
知られていますが、ではフィレンツェスタイルのジュエリー
がどのようなものかというと、余り知られてはいません。


フィレンツェスタイルのジュエリーとして有名なブランドが
「ブチェラッティ」。


日本ですと銀座「和光」で目の飛び出るようなお値段で
ブチェラッティのジュエリーが売っています。


マルコの作品も高島屋での販売価格は、フィレンツェ工房の3倍。


欲しくてもとても気軽に手の出る値段では
なかったでしょう。


フィレンツェの工房で買えば1/3の値段。ですが、これは
儲け主義でない師匠マルコがつけている、本当に地味な値段だと
思います。


京都から来たあるお金持ちの奥様が
「お安すうおすなぁ〜」といって、工房の中でも
高めのものを何個も買っていったという話があるほど。


手作業で時間をかけて作られる、職人の技の結晶ともいえる
フィレンツェのジュエリー。


これに見慣れてしまうと
某ブランドのTファニーやBガリ、Cティエ
は簡単なつくりなのにお値段が高くてびっくりして
しまいます。


「あれっ?こんなものをこんな値段で売っちゃうわけ?!」


日本では人気のブランド。これが高級品なのだと皆思い込んで
こぞって買っていますが、量産型のバコバコと型抜きされて作られる、
技も何もない(といったら失礼ですが)
長所はブランド名が入っているというだけの商品。


本物をしらないとこういうものに大金をはたくことになる。
もったいないことです。


どうせ買うなら同じ値段で一生ものを。
ジュエリーをお求めになる際はぜひフィレンツェで、フィレンツェ
職人さんが作ったものを。


さて、郄島屋へは私の母もマルコを訪ねていきました。
母はマルコと会ってその暖かい人柄にふれ、
自分の娘がこんなにいい人の下でやっているのだとわかり、
安心感からか涙が出て、止まらなかったとか。


うちのオカンの”ウルルン対面記”
「うちのオカンが〜日本橋高島屋でぇ〜マルコと出会ったぁ〜」
(下条アトム風)


突然イタリアへ行くと言い出して、特に母には何も相談する
ことなく、その4ヵ月後にはサッサとイタリアへ旅立っていた私。


なので、どんなところでどんなことをしているのか、
やはり母なりにとても心配していたようでした。


今思えば、行くと決めてから十分な準備もないままに
4ヵ月後には外国にいるという行動の早さは、自分の人生
始まって以来の素早さでした。


慎重に考えていたならば、まず行く前にイタリア語をよくよく
勉強して、学校もよく調べて下見に行って…ということになる
のでしょうが、学校は、通っていた彫金教室の先生が紹介してくれた
今のプロフェッソーレの学校に即決。


そこがフィレンツェだったのでイタリアということになり、
イタリア語も勉強したことはなかったけれど、何とかなるだろう
ともかくビザが降り次第すぐ行く。


あわただしく留学手続きをし、ビザをとって、4ヵ月後にはイタリアに
いました。


急ぐ理由は何もなかったのですが、
「今でなきゃダメだ。ともかく今なんだ。今、行かなきゃダメなんだ」

何故だかそういう思いに突き動かされました。


神様からお告げでもあったのか、はたまた
イタリアが私を呼んでいたのか…


多分あの時、準備に時間をかけていたら
途中で面倒になってやめていたでしょう。。。



サビア占星術によると
2005年の私のテーマは
「新しい大陸の出現」


まさにそのとおりに2005年の1月1日に私は
新大陸に降り立ったのでした。